娘を出産後、8日目に血圧が上がり、浮腫みも酷く再入院になってしまいました。
入院生活が始まってからのお話を書きます。
前回のお話はこちらからどうぞ→産後の浮腫みと高血圧その1
不機嫌な夫
夫は着替えなどを持ってきてくれましたが、不機嫌でした。
「子供達は?赤ちゃんは?」と聞くと
「別に変わりはない。」と。
私は、私が入院したことを長男と次男は知っているのか、どのような話をしたのか、ご飯はどうしているのか、赤ちゃんにミルクはあげられているのか、ちゃんと飲んでいるのか、そんな話が聞きたかったのに。
「母は?」と聞くと
「来てるよ。」
知ってるよ、来たから私が病院に来れたんじゃないの。
頭は痛いし、咳は止まらないし、浮腫んだ足は痛い。
こんな時に普段より不機嫌な夫。
苦しい時に一番支えあえない人。
人が苦しんでいる姿は、鬱陶しい人・・・。
それ以上会話はなく、夫は帰って行きました。
入院生活開始
看護師さんはしきりに
「目がチカチカしない?」と聞きました。
高血圧になると、目の前に光が見えたりするらしいのですが、その症状はありませんでした。
「光の刺激が良くないので、部屋を暗くします。電話も触るのは止めて下さい。それと水分量を量るので、トイレに行く度におしっこの量を量り、記入して下さい。」と言われました。
この時、頭痛薬と血圧を下げる薬を貰いました。
母乳が出ていたので搾乳機も貸してくれました。
「薬は両方とも飲んでいても授乳できます。旦那さんにお願いできるようなら、搾乳して冷蔵しておけるので渡して赤ちゃんに飲ませてあげられますよ。」と看護師さん。
お気遣いは嬉しいのだけど、夫がそんなことをしてくれるわけもなく。
「ミルクをあげているみたいなので、大丈夫です」と言うと
「もったいないよ、せっかく出てるのに。旦那さん、明日も来るでしょう?」と聞かれました。
「分からないです。仕事で来れないかもしれません。」
「仕事?子供が3人いるのに?赤ちゃんは誰が見てくれているんですか?」
「母が来てくれているんです。」
「でも渡せるかもしれないので、一応とっておきますよ。いらなかったら処分しますので。」と言ってくれました。
私はよく母乳が出る体質です。
でも元から母乳育児になんのこだわりもないのでミルクで構わなかったのですが、母乳育児をすすめる産院なのは知っていたので、「ではすみませんがお願いします」と言いました。
どんどん上がる血圧と頭痛
病院に来た時は我慢できるくらいの頭痛でしたが、ベッドに横になると、脈に合わせてガンガンしてきました。
血圧が高くて頭痛がしていると思うと、このまま血管が破けてしまうのではないかと思いました。
血圧の薬を飲んでから1時間後、時間にして夜の7時くらいだったでしょうか、看護師さんが血圧を測りにきました。
「血圧の薬は何種類かあって、人により合う物と合わない物があります。
今測って、さっきと変わらないようなら薬を変えますね。」と言われました。
病院に来た時は上が150台でした。
1時間以上は暗闇で安静にしていたので、それだけでも来た時よりは下がっているか、せめて変わっていないかと思ったのですが
「うわ・・上が175だよ・・。下が91。」と看護師さん。
「175!?」
「下も91ですよ。薬が全然効いてないね。じゃあ変えます。はい、これ。」とアダラートCR錠(10mg)という薬を渡されて飲みました。
「ではまた1時間後に測りにきます。」
私は低血圧で、上が90~100台、下は60台でした。
175という聞いたことがない数値に唖然。
私・・死ぬかも・・きっと赤ちゃんも抱っこできず、長男とも次男とも会えない。
やっとやっと11年越しに叶った、子供が3人という夢は、無理矢理すぎたのかもしれない。
高齢出産はしない、そう決めていたのに踏み切ったから・・・。
でも「体が弱いから高齢出産は辛い」と長男を産んだ20代半ばに夫に伝えたのに、この時期を望んだのは夫。
そう思うと、この苦痛と悲しみの全てが夫のせいなような気がしてきました。
そこに先程の不機嫌な夫の態度が蘇り、頭は割れそうだし、咳は止まらないしで発狂しそうでした。
高血圧の母が、運転中に血圧が急激に上がり、意識を失って事故を起こしたことがありました。
車ごと横転してしまったのです。
その時の数値が200だったそう。
今こうしている間にも、血圧がどんどん上がっているかもしれない。
怖くて怖くて、でもその恐怖が頭痛にかき消される程、頭が痛いのです。
1時間後、血圧を測ってもらうと、150台に下がっていました。
「良かった!!効いたね!ではこうやって、血圧をコントールしていきます。不安になると思うけれど、あまり血圧は気にしないで下さい。大丈夫だからね。」と言ってくれたのですが、150でもまだ高いですし、安心はできませんでした。
次男の声が聞こえる
この時また、頭痛薬を貰って飲みました。
この日3回目の鎮痛剤です。
長い夜が始まりました。
血圧は少し下がったようでも、頭痛は全く治まらないのです。
頭がしびれて、感覚がないように感じました。
「何度病院で頭がしびれます、と言っても、そのような症状はないって言うのよ」という母の言葉を思い出しました。
母の言う通り、足がしびれるのと同じように頭がしびれているのです。
母の言っていたことは本当だった、と母を診察した先生に言ってやりたい・・そんなことをぼんやり思いました。
トイレに立つと頭痛は少し治まりました。
ところが、ベッドに横になると激痛なのです。
きっと頭の中の何かが、頭を下げることでどこかにぶつかっているのは?と思いました。
それくらい、立った時と横になった時の痛みが大きく違いました。
リクライニング出来るベッドだったので、なるべく上半身を起こしましたが、それでも痛い。
しっかりベッドに座ってしまうと少し楽なのですが、それだと血圧的にどうなのだろうと思い、寝たり、起きたり。
そしてそんなに動いていたら、更に血圧や頭痛に良くないのでは・・と思うとどうしていいのか分からず、血管がドクドクする痛みの中で泣いていました。
そしてひっきりなしの咳。
ただでさえガンガン割れそうなのに、咳き込んで力が入ると、気を失いそうな痛みを繰り返していました。
頭の中では次男の声が響き、まるで私に話しかけてきているようでした。
次男の口癖、私を呼ぶ声、笑う声、泣く声・・様々な次男の声が聞こえてきて、会いたくて会いたくて、今すぐ帰りたい気持ちでした。
でもその声がどんどん大きくなり、煩いほどで、聞こえないはずの声が頭に響いて更に頭痛を辛くさせるのです。
「お願いだから静かにして・・!!」
思わず声が出てしまいました。
私はおかしくなってしまっていたんだと思います。
尿の量が・・・
夜の10時を過ぎた頃。
水分は時々100ccくらいずつ取っていました。
水分制限は特になかったので、飲む量は気にしていませんでした。
トイレで尿を量るのですが、500ccくらいも出たんです。
変な話、ジャーっと止まらない。
そんなに我慢していたわけでもないのに、こんなに出るものかな・・と思いました。
大きな計量カップのような容器に取るのですが、ずっしりと大量で、そんなに飲んでもいないのに・・と不思議でした。
それを境に、1時間しないうちに尿意があるのです。
でもさっきしたばかりだし、そこまで強い尿意でもない。
もう少し我慢しよう、と思いました。
頭も痛すぎて涙が止まらない状態でしたので、動くのが辛かったのです。
でも長時間尿意を我慢した時のように、下っ腹が痛くなってくるんです。
うーん・・一応行こうか・・・とやっと体を起こすと、頭痛は少し楽になります。
あぁ・・そうだった、起きた方が楽なんだった・・と思いトイレに行くとまた500cc近くの尿が出ます。
こんなに飲んでないのに!?
と思いベッドに横になると、また強烈な頭痛。
一体私の体に何が起きているのか。
家では皆何をしているんだろう。
一人くらい心配してくれている人はいるだろうか・・。
朝は・・・来るんだろうか・・・。
そんなことを思った深夜1時。
それからなんと朝まで、500ccの尿が出続けました。
頭は痛く、夜中も鎮痛剤を貰いました。
「効かないんです」と言っても、「これ以上強い薬は出せない。母乳のこともあるので。」と。
痛くて割れそうな頭を連れて、一晩中トイレと病室を往復しました。
強い尿意ではないのに、大量の尿が出ることが不思議でした。
忘れていた薬
気の遠くなるような長い時間が過ぎ、朝の5時。
この頭痛は偏頭痛だろうと思いました。
頭痛持ちですので、脈に合わせた強い痛みは何度も経験があります。
いつも飲んでいるイブが効くのではないかと思いました。
何故今までこれに気付かなかったんだろう!!
そう思い、ナースコールをして飲んでも良いか確認しました。
仮にも市販薬。
病院で市販薬って飲んでいいんだろうか・・?
「いつも使っている合うお薬があるなら、飲んでも構わないのですが、イブを飲むと暫く授乳が出来ません。搾乳した母乳を捨てるようですが、それでも良ければ大丈夫です。」
赤ちゃんはお腹いっぱいミルクを貰っているはずだし、母乳をわざわざ夫が持ち帰り温めて飲ませてくれるなんて思えなかったので、迷わずイブを飲もうと思いました。
もしかしたらこれで頭痛から解放されるかも!!
一刻も早く夫にイブを持ってきてもらいたいと思い、連絡をしましたが、返信がありません。
まだ早朝5時。寝ていても頻回授乳ですぐに起きるだろうと思いました。
私が入院しているのに、病院から急な連絡が入っても気付かないんだな・・と思ってみたり・・。
6時になっても連絡がありません。
母に連絡してみるとすぐに返信がありました。
「寝てるから起こすね」と。
それからすぐに夫から電話がありました。
「イブ?なんでいつも持ってるのに今に限って持ってないの」と。
「出てきた時はあまりにも具合が悪かったから、持ち物もよく分からなくて・・。病院の鎮痛剤が全然効かなくて一睡もしてないの。お願いだから早くイブを持ってきて欲しい。」と伝えると
「うーん・・今日中には行けると思うけど、午前は無理だな。」と。
「血圧も175になっちゃって、頭が痛くて気がおかしくなりそうなの。」
「でも行けない。仕事があるし、子供達もいるし。」
「子供は母に見てもらっているんじゃないの?30分で来れるんだから、どうにかならない?」
「無理。」
電話は切れました。
怒りで本当に血管が切れそうでした。
頭痛からの解放
悔しいのか、悲しいのか、腹立たしいのか・・。
もう11年もこうやって生きているなんて。
鞄の中にもしかしたらあるだろうか。
持ってきた覚えはないけれど、あちこちにイブを入れて持ち歩いているので、どこかに・・。
すると!化粧ポーチの奥底に、いつのか分からないイブが2錠だけありました。
急いでそれを飲み、20分くらい経つと頭痛がほんの少し和らぎました。
きっとこのまま治まる!という長年の頭痛の経験が当たり、1時間後にはあの酷かった頭痛から解放されたのです。
イブが神様のように思えました。
咳は止まらなくても、頭痛がないだけで咳き込むのも楽、トレイに行くものとても楽になりました。
朝9時、ずっと私を担当してくれていたH先生が回診に来て、久しぶりに顔を見るとほっとしました。
その時までに尿が6リットルも出たのです。
看護師さんが「夜中とてもお辛かったようで、尿の量も多くトイレが大変だったろうと・・」と言うと、
「やっと抜けたんだね」とH先生。
いつも私がしっかり休めているか気にかけてくれていた先生は、この日も
「産後、ちゃんと休んでた?いつも通りに家事をしたりしてなかった?赤ちゃんの世話だけしてなきゃ駄目だよ。」と言ってくれました。
夫が頼りにならないのは知っているんですよね。
健診はもちろん、出産の日にも産院には来なかったのですから。
浮腫みスッキリ画像
水分がどんどん抜けたので、体重も一晩で6キロ近く落ちました。
これが↓
こんなにスッキリ!↓
何故か右足の方が太いのですが・・
この日も夜中程ではありませんが、尿は出続け、翌日には更に2キロ落ちました。
足はやっと普段通りに↓
画像が悪くて何年前の話?という感じですが、2014年、Xperia(エクスペリア)という画像がいいスマホで撮影したのですが、別に入れていた無音カメラアプリの画質があまり良くなかったみたいです。
画像サイズも小さいし、スタンプも微妙だし色々疲れていたみたいです。。。
入院期間は3日で退院しました。
母が帰る日だったので、それ以上は入院できなかったのです。
H先生「ここからまた悪くなることはまずないけどね、経験上。でも無理はしないで。血圧はまだ不安定だし、とにかく休むの!誰がなんと言っても、産後なんだからゆっくりしてね。」
夫にはそんなこと通用しないので、退院当日からまた普通に家事をやりました。
「ゆっくり休んできたんだから、もう大丈夫なんだろ、大丈夫だから退院したんだろ」そう言っていました。
退院時にアダラートCR錠を出して貰いましたが、帰宅後すぐに1錠飲んだきり、そのまま血圧は落ち着きました。
咳は止まらず、3ヶ月も続きました。
血圧は落ち着いても体調は悪いまま。
頻繁に9度を超える熱が出たり、蕁麻疹が出たり、咳が出て数ヶ月間止まらなかったりと、不調が2年続きました。
産後はいつまで?
ネット検索すると、産後の浮腫みが出る人は多く、足が像になった、足首が無くなった、という話を沢山見かけました。
私も次男の時も浮腫んだし、今回もネットで沢山書かれているので私もそうなんだろうと思いました。
でも一度相談してみた方がいいと思うのです。
様子見で良ければそれでいいのですし、赤ちゃんのお世話でなかなか自分のことに構っていられなくなってしまいますが、産後しっかり回復に専念しないと辛い思いをしてしまいます。
母になったら多少辛いのは当たり前、自分より子供。
どうしてもそうなってしまいますが、お母さんあっての子供です。
産んでから1年は産後。
どうか産後はしっかり休んで欲しいと思います。
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